不動産LPは、物件写真・施工事例・エリア画像など「画像が多いページ」になりがちです。そのぶん表示速度が落ちやすく、せっかく広告費をかけて集めたユーザーが、LPの内容を読む前に離脱しているケースが少なくありません。
この記事では、不動産LPの表示速度をどう測り、どこから直すべきかを、優先度順に整理して解説します。専門的なチューニングの話ではなく、制作会社に何を依頼すればいいかがわかるレベルまで噛み砕いてまとめました。
この記事でわかること
- 表示速度が不動産LPの成果に影響する理由
- PageSpeed Insightsでの現状の測り方と合格ライン
- 効果の大きい改善策を優先度順に(画像 → フォント → 外部タグ → 配信)
- 当サービスが自社LPで実際に行っている対策
表示速度が不動産LPの成果に効く3つの理由
1. アクセスの6〜7割がスマートフォンだから
不動産LPへの流入は、広告・検索ともにスマートフォンが中心です。スマホは回線状況が不安定で、PCのブラウザでは一瞬で表示されるLPでも、モバイル回線では数秒待たされることがあります。速度はPCではなくスマホ実機で判断してください。
2. 広告流入は「待ってくれない」から
検索で自分から探して辿り着いたユーザーと違い、広告バナーをタップしたユーザーの興味はまだ弱い状態です。表示に数秒かかるだけで、そのまま戻るボタンを押されます。この離脱は計測上「クリック課金だけ発生して滞在ゼロ」となるため、広告費がそのまま無駄になります。
3. 表示速度は検索順位の評価要素でもあるから
Googleはページの表示体験を「Core Web Vitals」という指標で評価しており、検索順位のシグナルの一つとして扱っています。ただし影響度としてはコンテンツの質のほうがはるかに大きいため、SEO目的で速度改善を最優先にする必要はありません。あくまで「離脱を減らすための施策」と考えるのが実態に合っています。
まず現状を測る|PageSpeed Insightsの見方
改善の前に必ず現状を測ります。Googleが無料で公開している PageSpeed Insights(pagespeed.web.dev)にLPのURLを入力するだけで、スマホ・PC別のスコアと改善提案が表示されます。
スコアの数字そのものよりも、下の3指標(Core Web Vitals)を見てください。
| 指標 | 何を測っているか | 良好 | 要改善 |
|---|---|---|---|
| LCP | メインの画像・見出しが表示されるまでの時間 | 2.5秒以内 | 4.0秒超 |
| INP | タップ・入力に対する反応の速さ | 200ms以内 | 500ms超 |
| CLS | 読み込み中のレイアウトのズレの大きさ | 0.1以内 | 0.25超 |
不動産LPで問題になりやすいのはLCP(画像が重い)とCLS(画像や広告タグの後読みで表示がガタつく)の2つです。INPは、複雑なアニメーションやスライダーを大量に入れていない限り、多くのLPでは問題になりません。
なお、PageSpeed Insightsのスコアは計測のたびに10点前後ぶれます。1点刻みで一喜一憂せず、「モバイル70点未満なら要対応」「50点未満は明確に問題あり」くらいの粒度で判断してください。
改善策1|画像を直す(効果が最も大きい)
不動産LPが遅い原因は、9割方これです。ここだけ直せば十分なケースも多いので、必ず最初に着手してください。
撮影したままの写真を載せない
スマートフォンや一眼で撮った物件写真は、1枚で3〜5MBあります。これを10枚並べれば、それだけで数十MBのページになります。LP上で必要な解像度は横幅1600〜2000px程度なので、リサイズと圧縮で1枚200〜300KB以下まで落とすのが目安です。
WebP形式に変換する
WebPはJPEG・PNGより2〜3割ファイルサイズが小さくなる画像形式で、現行の主要ブラウザはすべて対応しています。特に間取り図・ロゴ・図版などPNGで作られている画像は、WebP化の効果が大きく出ます。
ファーストビュー以外は遅延読み込みにする
画面に入っていない下部の画像まで最初に読み込む必要はありません。遅延読み込み(lazy loading)を設定すると、スクロールして近づいたタイミングで読み込まれるようになり、初回表示が大きく速くなります。
逆に、ファーストビューのメイン画像だけは遅延読み込みにしてはいけません。ここを遅延させるとLCPが悪化します。「メイン画像は優先読み込み、それ以外は遅延」が正解です。
画像の縦横サイズを指定してCLSを防ぐ
画像に幅・高さの指定がないと、読み込み完了の瞬間にテキストが下へ押し出され、画面がガタッとズレます。これがCLSの主因です。読もうとした瞬間に文字が動く、タップしようとしたボタンが動く、という体験は離脱に直結します。
画像素材の作り方については不動産LP制作にChatGPT Imageが使えるもあわせて参考にしてください。
改善策2|Webフォントを減らす
日本語のWebフォントは、1書体で1〜4MBあります。欧文フォント(数十KB)とは桁が違うため、日本語LPではWebフォントが画像に次ぐ重量物になります。
選択肢は3つです。
- 使わない:OS標準フォント(ヒラギノ・游ゴシック・游明朝など)で組む。読み込みゼロで最速
- 見出しだけ使う:本文は標準フォント、見出しのみWebフォント。ブランド感と速度の折衷案
- サブセット化して使う:使う文字だけに絞ったフォントファイルを生成して軽量化する
高級物件LPなど、書体がブランドイメージを左右する場合は無理に外す必要はありません。ただし「なんとなくおしゃれだから」で2〜3書体を読み込んでいるなら、確実に削減対象です。
改善策3|外部タグ・埋め込みを整理する
LP自体は軽いのに遅い、という場合は外部スクリプトが原因です。不動産LPでありがちなのは次の4つです。
| 要素 | 負荷 | 対応方針 |
|---|---|---|
| Googleマップの埋め込み | 大 | 静止画+「地図を開く」リンクに置き換える |
| チャットボット・接客ツール | 大 | 本当にCVに効いているか計測して判断する |
| 画像スライダー | 中 | 枚数を絞る/静止画に変更する |
| GA4・広告タグ | 小 | そのまま。計測は外さない |
計測タグ(GA4・コンバージョンタグ)は速度と引き換えにしてはいけない要素です。これを外すと広告の費用対効果が測れなくなり、改善そのものができなくなります。削るのは「見た目のための重い要素」からです。
また、使っていないツールのタグがタグマネージャーに残り続けているケースも多いので、一度棚卸ししてください。
改善策4|配信環境を見直す
ここまでやっても遅い場合は、LPが載っているサーバー・CMS側の問題です。
- 共用の格安レンタルサーバー:同居している他サイトの影響で遅くなることがあります
- WordPressにプラグインを大量に入れている:1ページのLPのために重いテーマ+プラグインが動いている状態です
- CDNを使っていない:画像を含む静的ファイルは、CDN経由で配信するだけで体感が変わります
広告の受け皿として使う単独のLPであれば、WordPressを使わず静的なページとして書き出してCDNから配信するのが最も速く、かつ管理も安全です。ホームページとLPの役割分担については不動産会社がホームページとLPを使い分けるべき理由で解説しています。
当サービスが自社LPで行っている対策
参考として、このサイト(fudosan-lp.com)で実際に採用している構成を挙げます。制作をご依頼いただくLPにも同じ方針を適用しています。
- 画像は配信時に自動で最適化:元画像が2MBのPNGでも、表示サイズに合わせて縮小・WebP変換された状態で配信されます
- 表示幅を画像ごとに指定:スマホには小さい画像、PCには大きい画像を出し分け、無駄な転送を発生させません
- ファーストビューの画像だけ優先読み込み:それ以外は遅延読み込みでLCPを稼いでいます
- Webフォントを使っていない:見出しの明朝体もOS標準フォントで表示しているため、フォント由来の読み込みがゼロです
- 静的生成+CDN配信:ページはあらかじめ生成された状態で配信され、サーバー側の処理待ちが発生しません
特別なことはしていません。「重いものを最初から積まない」だけで、後から高速化する作業はほぼ不要になります。
やりがちなNGパターン
スコアを上げること自体が目的化する
モバイル95点を目指して装飾や写真を削り、LPとしての訴求力が落ちてしまっては本末転倒です。不動産は写真で判断される商材なので、物件写真の枚数や品質を削るのは最後の手段にしてください。まずは圧縮と遅延読み込みで対応します。
PCだけ見て「速い」と判断する
オフィスの光回線+PCで見れば、たいていのLPは速く感じます。判断はスマホ実機、できれば4G回線で行ってください。
速度だけ直して問い合わせが増えると期待する
速度改善は「読まれる前に閉じられる」のを防ぐ施策であって、読んだ人を問い合わせに動かす施策ではありません。速度はマイナスをゼロに戻す打ち手です。プラスを作るのはファーストビューとCTAなので、ファーストビュー改善ガイドとあわせて取り組んでください。
着手する順番
| 優先度 | やること | 効果 | 手間 |
|---|---|---|---|
| 1 | 画像の圧縮・リサイズ・WebP化 | 大 | 小 |
| 2 | 遅延読み込みの設定/メイン画像の優先読み込み | 大 | 小 |
| 3 | 画像の縦横サイズ指定(CLS対策) | 中 | 小 |
| 4 | Webフォントの削減・サブセット化 | 中 | 中 |
| 5 | 地図・チャット等の外部埋め込みの整理 | 中 | 中 |
| 6 | サーバー・CMS・配信環境の見直し | 大 | 大 |
1〜3は既存LPでも比較的すぐ着手でき、費用もほとんどかかりません。6まで必要な場合はリニューアルの検討段階です。判断材料として公開前チェックリスト20項目、不動産LP制作の費用相場もご覧ください。
よくある質問
不動産LPの表示速度はどれくらいが目安ですか?
スマートフォンでのLCP(メインコンテンツが表示されるまでの時間)2.5秒以内が目安です。3秒を超えると離脱率が目に見えて上がります。PageSpeed Insightsのモバイルスコアであれば70点以上を最低ラインとして考えてください。
表示速度が遅い最大の原因は何ですか?
ほとんどのケースで画像です。撮影したままの数MBの写真をそのまま掲載しているLPは珍しくありません。画像の圧縮・WebP化・遅延読み込みだけで改善するケースが大半です。
表示速度を上げると問い合わせは増えますか?
表示速度の改善は「離脱の防止」に効きます。読まれずに閉じられていたユーザーがLPを読むようになるため、内容が適切であれば問い合わせ数の増加につながります。ただし速度だけを改善してもLPの構成やCTAが弱ければ成果は出ません。
まとめ
- 速度はスマホ実機とPageSpeed Insightsで測る。LCP2.5秒以内が目安
- 原因の大半は画像。圧縮・WebP化・遅延読み込みから着手する
- ファーストビューのメイン画像だけは優先読み込みにする
- 日本語Webフォントは重い。必要な範囲に絞る
- 計測タグは削らない。削るのは見た目のための重い要素
- 速度改善は離脱防止。成果を伸ばすのは構成とCTA
「広告のクリックはあるのに問い合わせが少ない」という場合、表示速度が原因になっていることは珍しくありません。現在のLPの状態から改善の可否を判断しますので、不動産LPの制作・改善のご相談はお気軽にどうぞ。15万円〜、最短2週間で対応します。